HOTEL ORIENTAL EXPRESS TOKYOGINZA展示作品

Artist 緒形麻耶×HOTEL ORIENTAL EXPRESS TOKYOGINZA

日本佳景
-Colors of the Scenic Views in Japan-

日本の季節が織りなす麗しい情景を、抽象的で色鮮やかな色彩と日本の伝統的な技法である、たらしこみ ( にじみによって独特の色彩を表す技法) を用いて表現し、その根源的な“美” と
新たな“和” を追求した作品をホテル一面に展示いたしました。
新時代「令和」を彩る、幻想的かつクリエイティブな空間を心行くまでお楽しみください。

ホテルのフロントの壁に絵画の説明ボードがございます。そちらと同様の説明になります。
また、制作時のこと等も少し緒形がコメントをさせていただいております。

日本景佳 春(春爛漫)


~流れ舞う桜の花びら、春の宴~
春爛漫、満開の桜が散り始めた頃、桜の花びらが川に流れていき、 川が桜で溢れていく。空では桜が風に舞い、春のお祭りのようです。

【作者コメント】
単調に見えるかもしれませんが、8色くらいの桃色、ピンク色を作り、使って丁寧に描き上げました。今回の作品の中で一番繊細かもしれません。左上と右上の方は、川の水面に流れる桜の花たちをイメージして描きました。横に流れる桜吹雪は風に舞う桜のイメージです。実際の絵と印刷物の色が合致することが難しく、描いたあとの作業で苦労もしました。ピンクはとても繊細な色です。少し色が変わると印象がだいぶ変わってしまうことに悩まされました。

初夏
~風薫り、咲き誇る初夏の藤~ 
桃色や白の葵、くちなし、木蓮、浜茄子、黄色い金蓮花、夏の藤が 咲き乱れて夏の到来を喜んでいる。

【作者コメント】
実はこの「初夏」は今回の四季の中で一番初めに描いた絵です。一番、勢いと緊張感があるかと思います。どれだけ描けばいいのか、どこまでも描き続けていけるような、不思議な感覚に囚われました。この作品もピンクと紫の色が難しくて、印刷するときのチェックに苦労しました。印刷会社さんにお手数をかけた作品の一つです。

日本佳景 夏(夏祭りを彩る金魚)


~夏祭りを彩る金魚、花火に踊る水面~
日本の夏祭り、金魚すくいの水面には出店の灯りや花火が映り揺らめき、 もう一つの世界が拡がっている。

【作者コメント】
夏が大好きなので、夏祭りの空気を思い浮かべながら楽しく描きました。
屋台の様々な色が金魚すくいの水面に楽しそうに映る様です。金魚を一筆書きするときに緊張したのを憶えています。


~秋麗( あきうらら)、蜻蛉( とんぼ) と戯れる紅葉~ 
秋真っ盛り、黄昏飛翔、木枯しに任せ自由に舞う紅葉たち。見守る木々。 ※黄昏飛翔 夕暮れにトンボが群れて飛ぶこと。

【作者コメント】
飛ぶトンボ、風に舞う紅葉、新しいサイクルに入るために準備をする木々。流れるように描きました。生命力を感じる季節ながらも、冬の準備に備える…そんな空気を意識して描きました。赤、紅、朱、 強い色に囲まれて、 いろいろな動植物が活発に動く、けれど切なくもある季節を少しでも感じていただけたら嬉しいです。


~冬帝弛み、溶け始める雪氷~
寒さに凍る山や滝、湖、その裾からわずかに、徐々に、春の訪れを感じて 溶け出す雪氷。

【作者コメント】
寒い草木も凍る冬の自然、にしては柔らかい線ですが、一番厳しい時期の冬が春の準備を少し始めた頃の冬をイメージして描きました。流れる滲みは苦労しました。

バックアップしてくださった灘アートギャラリー様、印刷会社様、素晴らしい機会をくださったHOTEL MANAGEMENT JAPAN様、オーナー様、ありがとうございました。

Produced By 灘アートギャラリー